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第32回日本小児リウマチ学会総会・学術集会

会長挨拶

学術集会開催に向けて

北里大学メディカルセンター小児科
北里大学医学部小児科学
坂東 由紀


北里大学メディカルセンター小児科
北里大学医学部小児科学
坂東 由紀

 第32回日本小児リウマチ学会総会・学術集会を2023年10月13日(金)~15日(日)に埼玉県さいたま市で開催いたします。本学会は1991年に発足した小児リウマチ研究会を前身とし現在に至ります。難病であるリウマチ性疾患を患う「only one」の患者さんたちに、学会の先生方が総力を挙げ治療の道を開拓してきました。その結果が実を結び予後やQOLが大きく改善されました。一方、子供の成育環境に影響する社会情勢は加速度的に変化し、さらに世界規模の新型ウイルスの台頭は想定外の社会変革をもたらしました。「未来の小児リウマチ診療」を紐解くためには、これまでとは異なる発想の転換や変化に対応してチャレンジすることが学会にも求められていると感じます。
 昨年より新理事会体制が発足し、本学術大会より学術委員会の皆様とプログラムを立案計画してまいりました。Web講演が普及する中での学術集会の意義、小児リウマチ医を目指す若手の先生方に有用なコンテンツは何か、などの熱い議論が交わされました。その結果軸となるコンセプトとして、若手医師による運営と参加、Z世代患者の自立支援、多職種の連携強化などを掲げました。また近隣諸国の小児リウマチ診療、未来の免疫学やワクチン研究など各分野のフロントランナーをお呼びすることも企画しておりますので、ぜひご聴講ください。
 今回のテーマである「Pediatric Rheumatology Beyond」には上述のキーメッセージが込められています。イラストにあるダンデライオン(タンポポ)の綿毛は、できるだけ種子が現地から離れた場所へ風が運べるようにできたものだそうです。親植物が生息する環境は常に安定しているとは限らず、種子が新たな時代を新たな土壌で育つことを期待して旅立たせる工夫でしょう。小児リウマチ学の夢が語られ、形になり、そして患者さんとともにこれからの医師・医療従事者が実行していくために、この学術集会がお手伝いできれば幸いです。
 開催地の大宮は古くから江戸の重要地点として発展してきた歴史のある街です。あまりご存知ないかもしれませんが、埼玉県は年間晴天率、自転車保有率、小中学生の体力測定結果、さらに最近は住みたい街ランキングなど、いずれも上位にあります。ユニークな観光スポットを掲載したハンドメイドのみどころマップもHPに載せました。開催形式はハイブリッド学会の良い面を取り入れていく予定ですが、多くの皆様と現地でお会いできることを楽しみにしています。

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